どうもみなさんこんにちは、Flybirdです。
皆さんご存じの通り、建設業経理検定1級は、「財務諸表」「財務分析」「原価計算」の3つの科目があり、3つの試験に合格して初めて、「建設業経理士1級」の資格が与えられます。
本記事では、3科目の中の「原価計算」の対策のポイント・勉強方法・おすすめのテキストなどを紹介していきます。
原価計算の対策について知りたい方にとって、少しでも参考になりますと幸いです。
「原価計算」科目について
原価計算の特徴
原価計算とは、その名の通り、原価の具体的な算定方法を問う科目です。
財務諸表や財務分析は、いわゆる「商業簿記」に近く、具体的な仕訳や、財務諸表を用いた分析方法が問われるのに対し、原価計算はいわゆる「工業簿記」に近く、複雑な計算問題が出題されます。
難易度的には、財務諸表より簡単で、財務分析よりは難しいと思います。
原価計算の試験範囲の確認
試験範囲は、試験実施団体のHPに掲載されております。
以下のPDFの、第2~第15の範囲です。
https://www.keiri-kentei.jp/data/pdf/exam/R3A_kubun_12.pdf
ご覧いただけると分かりますが、試験範囲はそれなりに広いため、念入りの対策が必要になります。
大きく分けると、「材料費」や「労務費」などの「費用の内訳」に関する分野と、「総合原価計算」「個別原価計算」などの「原価計算の方法」に関する分野に分かれています。
過去問の出題傾向
以下の表にて、過去5回分の設問別の出題範囲をまとめてみました。
受験回 | 第28回 (2021年3月) | 第29回 (2021年9月) | 第30回 (2022年3月) | 第31回 (2022年9月) | 第32回 (2023年3月) |
---|---|---|---|---|---|
第1問 (20点) | ・建設業の特性 ・予算編成 | ・特殊原価計算 制度との相違点 ・建設業原価 計算制度の特徴 | 原価計算の目的 | ・実行予算 ・設備投資の 経済性 | 原価計算制度 |
第2問 (10~14点) | 原価計算基準 | 設備投資の 意思決定 | 個別原価計算と 総合原価計算 | 原価計算基準 | 配賦方法 |
第3問 (12~14点) | 車両費配賦 | トータル コスト計算 | 部門配賦 | 副費配賦 | 損料計算 |
第4問 (16~20点) | 正味現在価値 計算 | 個別原価計算 | 設備投資の経済性 | 正味現在価値 計算 | 設備投資の経済性 |
第5問 (34~40点) | 原価報告書作成 | 原価報告書作成 | 原価報告書作成 | 原価報告書作成 | 原価報告書作成 |
第5問を除き、出題範囲にばらつきあり。
上記の通り、原価計算は、広い出題範囲から幅広く出題されます。
比較的「正味現在価値計算」や「損料計算」に関する問題が出題される傾向ではありますが、それでもヤマを張るのは危険です。
試験範囲全体を満遍なく学習しておきましょう。
ただ、他の科目と同様、第5問の出題形式は変わりません。
配点が一番高いこともあり、「第5問」の出来が合格を左右するといっても過言ではありません。
おすすめの勉強法:「アウトプット」を重視しましょう!
原価計算に関しては、とにかく「アウトプット」を重視した方が良いです。
なぜなら、インプットだけだと、なかなか内容が定着しないからです。
例えば、「個別原価計算」や「総合原価計算」に関して、ただ計算方法を覚えたところで、実際に解けなければ意味がありません。
実際に問題を解いてみて、それぞれの原価計算方法に慣れるのが一番コスパが良いと思います。
テキストの内容を理解する「インプット」は簡単で良いので、問題集や過去問などで、実際に問題を解く「アウトプット」を重視して、内容を理解するようにしましょう。
各設問ごとの得点目標
私が考える各設問ごとの理想的な得点配分は↓の通りです。
設問 | 配点 | 目標得点 | 割合 |
---|---|---|---|
第1問 | 20 | 4 | 20% |
第2問 | 10~14 | 4 | 約30% |
第3問 | 12~14 | 10 | 約80% |
第4問 | 16~20 | 14 | 約80% |
第5問 | 36~40 | 40 | 約100% |
合計 | 100 | 72 | 72% |
第1問
第1問は記述式が出題されます。
この第1問は、捨ててよいです。
というのも、第1問で出題される用語のレベルが高く、第1問で高得点を目指そうとすると、細かい部分まで用語を暗記しなければなりません。
ただ、原価計算は、「暗記」より「計算」を重視すべき科目である以上、細かい用語まで覚えるのは「コスパ」が悪いです。
よって、第1問で点を取れなくても合格できるような勉強を普段から心がけておきましょう。
第2問
第2問は空欄補充問題が出題されます。
こちらの問題も、基本的に捨ててよいです。
原価計算に関する総論的な内容が問われることが多いですが、正直難易度は高めです。
第1問と同様の理由で捨てても良く、他の問題で点数を稼ぎましょう。
なお、多肢選択式ですが、前後の文章から推察して、選択肢を絞ることが出来ます。
そして、「A」か「B」の2択を選ばせる年もあります。
ですので、ある程度ヤマ勘で正解することも出来るため、第2問で「30%」正解することは、そこまで難しいことではないように思います。
第3問・第4問
出題範囲は定まっていませんが、基本的に第3問・第4問ではそこまで複雑ではない原価計算問題が出題されます。
第1問や第2問と比較すると、第3問・第4問は難易度が低めなので、基本的に満点を目指してください。
配点の高い問題も出題されているので、ゆっくり時間をかけて丁寧に解答しましょう。
第5問
第5問では、決まって原価報告書の作成問題が出題されます。
毎年、下記の通りの、ほぼ決まった計算方法が問われるので、そこまで難易度も高くないです。
- 各工事の材料費・労務費・外注費・経費 を問う。
- 未成工事支出金を問う。
- 差異(価格差異、予算差異、操業度差異など)を問う。
他の2科目と同様、第5問で満点を取りたいです。ここで満点を取れるかが合否を分けます。
また、原価計算の第5問は、(「財務諸表」と同様に)1つ間違えると連鎖的に他の問題も間違えてしまう出題形式なので、とにかくミスに注意する必要があります。
毎年出題範囲が決まっていて難易度がそこまで高くないにもかかわらず、配点がかなり高いので、
第5問で満点を取れると、かなり合格に近づきます!
まとめ:各設問別対策方法
以上まとめると、私が考える、優先して得点すべき設問は、以下の通りの順番になります。
要は、後半の問題を重視しましょう。
補足:おススメのテキスト・予備校・電卓
補足として、おすすめのテキスト・予備校・電卓を簡単に紹介しておきます。
おすすめテキスト
私がおススメするテキストは以下の3冊です。
スッキリわかる 建設業経理士1級 原価計算 第3版 (スッキリわかるシリーズ)

インプット用の基本テキストでは、定番ですが、このテキストがおススメです。
スッキリとける問題集 建設業経理士1級 原価計算 第4版 (スッキリわかるシリーズ)

問題集が欲しい方は、このテキストほぼ1択でしょう。
合格するための過去問題集 建設業経理士1級 原価計算 第5版 (よくわかる簿記シリーズ)

過去問題集が欲しい場合は、このテキストほぼ1択でしょう。
※他のテキストのレビュー記事は↓

おすすめ予備校
おススメは、「Net-school」の講座です。
※その他の予備校講座の比較記事は↓

おすすめ電卓
おススメは、CASIOの「JS-20WK」です。

カラーは4色から選べます。(個人的には「ゴールド」が好きです。)
※その他の電卓比較記事は↓

まとめ:「暗記問題」は捨てる。「計算問題」で間違えない。
はい、いかがでしたでしょうか。
何度も語っておりますが、原価計算合格のために一番大事なのは「第5問」で満点を取ることです。(間違えても数点程度に抑えるべきです。)
第5問に関してはほぼ過去問と同様の出題形式なので、過去問を解いて確実に解けるようにしておきましょう。
※1級の他の「財務諸表」「財務分析」に関する対策記事は↓


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