どうもみなさんこんにちは、Flybirdです。
建設業経理検定(建設業経理士試験)1級は「財務諸表」「財務分析」「原価計算」の3科目合格制で、全て合格したタイミングで「建設業経理士1級」の資格が与えられます。
3科目はそれぞれ同日に受験することも、1科目ずつ別日に受験することも可能ですが、最初の1科目の合格から5年以内(計10回の試験)に3科目に合格する必要があります。
ただ、これから建設業経理士1級の勉強を始める方の場合、各科目の難易度や必要勉強時間が分からず、どの科目から順番に勉強をすればよいか悩みませんか?

私は2019年9月に、建設業経理士1級3科目全てに合格することが出来ましたが、どの科目から勉強を始めるべきか非常に悩んだ経験があります。
そんな私が、3科目のオススメの勉強順番について本記事で解説します。どの科目から勉強すべきか悩んでいる受験生に必見の内容となっておりますので、ぜひご覧ください。
結論:おすすめの勉強順番は『3通り』ある
結論から申し上げると、おすすめの勉強順番は以下の3通り存在します。
- 簡単な科目から合格したい場合 : 財務分析→財務諸表→原価計算
- 難しい科目から合格したい場合 : 原価計算→財務諸表→財務分析
- 日商簿記の勉強経験がある場合
or3科目同時合格を目指す場合 : 好きな順番でOK
この順番とした理由について、以下解説します。
各科目の難易度:原価計算⇨財務諸表⇨財務分析の順に難しい
3科目の合格率からして、1番簡単な科目が「財務分析」で、1番難しい科目が「原価計算」です。
財務分析
3科目の中で一番難易度が低いのが、「財務分析」です。



私の場合は約50時間程度の勉強で合格できました。
「財務分析」試験では、貸借対照表や損益計算書記載の数字から、会社の財務状況を分析するために、様々な比率を暗記する必要があります。この覚えるべき比率をまとめたものが、「財務分析主要比率表」になります。
https://www.keiri-kentei.jp/data/pdf/exam/R1B_hiritu.pdf
財務分析では、この比率をある程度暗記できていれば、合格点に達することは可能ですし、比率を全て正確に暗記できていれば確実に合格できるといってもよいです。
暗記量もそこまで多いわけではないので、苦手意識を持つ人は少ないと思われます。
市販のテキストでも、財務分析分だけが1番薄いものが多く、テキストを通読するのにもさほど時間がかかりません。
本番でひねった問題が出題されることは稀で、暗記した比率をもとに財務諸表から各種比率の計算を求める問題がほとんどで、基本的に電卓で数字を打ち込めば解けます。


原価計算
3科目の中で一番難易度が高いのが、「原価計算」です。



私の場合は幸いにも100時間程度の勉強で合格できました。
原価計算は、暗記自体はそこまで多くはありませんが、複雑な計算が多い試験です。計算式や計算方法を覚えておき、本番で具体的な数字を計算することがほとんどです。
計算を苦手とする受験生が多いことから、原価計算の合格率が最も低くなっているものと想定されます。
そして、原価計算は他の2科目と違い出題傾向が固まっておらず、出題範囲の予測が難しく、過去問対策だけで合格するのは難しいです。


財務諸表
3科目の中でちょうど中間の難易度に当たるのが「財務諸表」です。



私の場合は100時間程度の勉強で合格できました。
財務諸表では、多くの勘定科目(ex.未成工事支出金、建設仮勘定)を暗記する必要があります。
暗記した上で、仕訳処理(「○月○日、●●を購入した。」といった事実を勘定科目で評価する。)が必要になります。
暗記すべき内容は1番多いものの、ある程度出題傾向が予測でき、第5問を得点源にしやすいことから、試験の難易度自体はそこまで高くありません。第2問では難易度の高い問題が出題されますが、正誤問題のため、ある程度ヤマ勘で解くこともできます。
ただ、第5問が一問間違えると連鎖的に次の問題を間違えるという形式(※完成工事高自体の算出を間違えると、完成工事高にかかる税金額も当然誤ることになる。)のため、1つだけミスをした、1つだけ解けない仕訳があった場合、それだけで4点~6点落としてしまうことになる点に注意が必要です。


日商簿記の勉強経験者の場合:好きな順番でOK
日商簿記の商業簿記は財務諸表と、工業簿記は原価計算と試験範囲が相関関係にあります。ですので、日商簿記3級の受験経験がある場合は「財務諸表」「日商簿記1級または2級」の受験経験がある場合は、「財務諸表」と「原価計算」の必要勉強時間は少なくなると思われます。
具体的な必要勉強時間は以下が目安となります。
必要勉強時間 | 財務諸表 | 財務分析 | 原価計算 |
---|---|---|---|
簿記の学習経験なし | 100時間 | 50時間 | 100〜150時間 |
日商簿記1級または2級の受験経験者 | 50時間 | 50時間 | 50〜100時間 |
日商簿記3級の受験経験者 | 70時間 | 50時間 | 100〜150時間 |
簿記経験者の場合、各科目の勉強時間はそこまで変わらないこととなるので、勉強順にこだわる必要はなく、好きな科目から受験してもらえればOKです。


同時に3科目の合格を目指す場合:好きな順番でOK
3科目同時合格を目指す場合は、当然ながら、好きな科目から勉強していただいてOKです。
※3科目同時合格を目指すなら、予備校受講がオススメ
3科目同時合格を目指す場合、約250時間の勉強時間が必要になります。また、当日の試験時間は4時間30分と長丁場になるので、集中力の持続が難しいです。
独学の合格も可能ではありますが、3科目同時合格を目指すチャレンジャーは、予備校講座を受講するのが無難です。


スケジュール感を踏まえ、学習順を決めましょう。
はい、おすすめの勉強順番を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
合格率から難易度について解説いたしましたが、科目別の難易度の感じ方については個人差もあるので、あくまでもご参考としていただければと思います。
いずれにせよ、どういうスパンで試験に合格するつもりなのかによって、勉強方針・勉強順が異なります。試験までのスケジュール感逆算した上で、自分に合った勉強計画を立てましょう!
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