【5問免除講習】受講の必要性を合格者が解説【賃貸不動産経営管理士】

どうもみなさんこんにちは、flybirdです。

賃貸不動産経営管理士試験における「5問免除制度」をご存知でしょうか?賃貸不動産経営管理士試験を受験する前に5問免除講習を受講することで、実際の試験で5問正解したのと同様の扱いとなります。要するに、5/50点の状態で試験を受験できます。あらかじめ5点獲得できているので、他の受験者と比較して有利となります。

もっとも、講習を受講するための費用・労力を要します。これから賃貸不動産経営管理士試験を受講する方は、5問免除講習を受けておくべきか、悩んでいるのではないでしょうか?

私は、2021年の賃貸不動産経営管理士試験に独学合格できました。

そんな私が、一部免除(5問免除)の講習の必要性の可否について、本記事でお伝えします。5問免除講習を受講するかどうかの参考になりますと幸いです。

目次

5問免除講習とは?

賃貸不動産経営管理士講習とは、賃貸不動産管理業務に必要な専門知識の習得と実務を遂行する能力を高め、賃貸不動産管理業の適正化及び資質向上を図るための講習です。

5問免除講習の概要

5問免除講習の詳細は、以下の通りです。

内容①概ね2週間の事前学習
②スクーリングによる1日の講習
日程2024年6月24日(金)〜2024年9月20日(金)
講習時間9:00~17:30
会場全国47都道府県138会場
受講料18,150円
(※テキスト(4,048円)は別途購入の必要あり)
受講要件なし(誰でも受講可)
修了要件概ね2週間の事前学習とスクーリングによる
1日の講習全講義を適正に受講すること
引用)一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会HP:https://www.chintaikanrishi.jp/measure/course/

5問免除講習のメリット

5問免除講習に合格すると、試験の5問(問46〜問50)正解扱いになります。

(一社)賃貸不動産経営管理士協議会の指定を受けた実施団体が、一定の指針に則った学習過程(講習)を行います。同講習を修了することによって賃貸不動産経営管理士において、修了年度とその翌年度の試験50問のうち5問が免除されます。

一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会 公式HP:https://www.chintaikanrishi.jp/measure/course/

現時点では、以下の3つの団体が「賃貸不動産経営管理士協議会の指定を受けた実施団体」に認められています。

  1. 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会
  2. 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会
  3. 公益社団法人全日本不動産協会

5問免除講習の必要性(基本的には「受講不要」)

確かに5問免除講習を受講するメリットはありますが、私は、以下の3つの理由から、5問免除講習の受講は「不要と考えます。

①講習受講費用が高く、時間も取られるから。

5問免除を受けるにあたり、講習の受講料18,150円、講習で使用するテキスト4,048円、合計で22,198円の費用がかかります。

約22,000円を使えば、予備校の講座にも申し込むことができます。予備校の模擬試験も約3回分受講できます。そう考えると、約22,000円はかなり高額です。

また、講習を修了するために、2週間の事前学習1日の研修受講が必要になります。この期間があれば、独学で5問免除問題の試験範囲を学習することも十分に可能です。

②テキストが分かりにくいから。

講習で使用するテキストは、「令和6(2024)年度版「賃貸不動産管理の知識と実務」です。

著:一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会, 編集:一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会
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他のテキストと比較して、本テキストはページ数が膨大で、内容も分かりやすいとは言えません。試験学習にはあまり適さないテキストです。

賃貸不動産経営管理士試験の合格だけを目指すなら、他のテキストを使用した方が効率が良いです。

③「5問免除者」と「非免除者」の合格率が、あまり変わらないから。

意外かもしれませんが、5問免除者と非免除者を比較すると、合格率に大きな開きはありません。

試験年度全体合格率(うち5問免除者合格率)
2020年29.8%33.7%+3.9%
2021年31.5%36.0%+4.5%
2022年27.7%30.7%+3.0
2023年28.2%32.3%+4.1%

※2021年度試験の合格点は40/50点という、ボーダーの高い年でした。そのため、1点でも点を落とすと命取りとなったため、5問免除者が例年以上に有利になった結果、+4.5%という、比較的高い数字になったと思われます。

賃貸不動産経営管理士試験の合格基準点が35/50点前後であれば、合格率の差はわずか3%程度にとどまります。3%程度であれば、費用と時間を費やしてまで講習を受ける価値はないように思います。

参考)免除となる5問の問題内容は?

免除となる第46問〜第50問の5問には、どのような問題が出題されているのでしょうか。過去4年分の出題範囲をまとめてみました。

出題範囲2020年度2021年度2022年度2023年度
問46住生活基本計画の目標と民間賃貸住宅賃貸住宅に関してコンプライアンス建物の構造
問47賃貸不動産経営管理士「倫理憲章」管理業務に関わる法令入居者の募集給水設備
問48建築基準法の天井高規定賃貸住宅に係る新たな政策課題保険賃貸住宅管理
問49不動産の税金保険不動産の税金不動産の税金
問50不動産証券化と管理業者の役割賃貸不動産経営の企画提案書の作成プロパティマネジメント
アセットマネジメント
不動産証券化の仕組み

「不動産の税金」や「賃貸住宅管理」に関する設問が出題されやすいですが、出題傾向がはっきりと定まっていません。

もっとも、これらの問題の難易度は低いです。詳しい知識がなくても、問題を読んで一般常識で考えれば正解できる問題も多いです。場合によっては、全く勉強していなくても全問正解できる場合があります。

5問免除講習を「受けるべき人」は?

基本的には5問免除講習を受ける必要はないですが、以下の場合は受講すべきと考えます。

①「業務管理者」になる予定の人

賃貸不動産経営管理士試験に合格後、所定の要件を満たすと、「業務管理者」になることが出来ます。

講習では、試験に特化した内容に限らず、実務に関する内容も学ぶことができます。賃貸不動産経営管理士試験に合格することが目的でなく、合格後に業務管理者として不動産業界に携わる予定の方は、講習を受講すべきです。

②試験に確実に合格したい人

資金に余裕があり、試験に確実に合格したい方は、講習を受講すべきです。わずかながらですが、5問免除講習を受けた方の方が合格率が高いので、受かりやすくはなります。

現に不動産会社等にお勤めの方、またはこれから勤務予定の方で、資格手当等があるなど、確実に資格を取得する必要がある方は、必ず受講しましょう。

まとめ:基本的には「受講不要」。特定の場合は「受けた方がよい。」

  • 5問免除講習 → 基本的に受講不要
  • 「業務管理者」になる予定の方、試験に確実に合格したい方 → 受講すべき

現段階では、賃貸不動産経営管理士試験の難易度はそこまで高くなく、合格しやすい試験なので、免除講習を受ける必要性は高くありません。

もっとも、これから賃貸不動産経営管理士の業務に取り組む方は、試験合格後も見据えて、受講してみても良いのではないかと思います。

講習の内容や試験問題も確認して、受講すべきかすべきではないか、ご自身で判断してみてください。

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