どうもみなさんこんにちは、Flybirdです。
日商簿記の受験者数は多く、メジャーな試験です。簿記に関する知識が身につくことから、日商簿記試験に合格すると役に立つ、という話を聞くかと思いかと思います。ただ、日商簿記試験を取得したからと言って、独立開業ができるわけではなく、また日商簿記を有している人が会社に所属したからといって、会社の評価が上がるようなものではありません。
これから勉強を始める方は、実際取得のメリットはあるのか、気になっていませんか?
私は、2022年2月に実施の日商簿記2級試験に合格することができました。
そんな私が、日商簿記試験の取得のメリット、試験の概要を本記事にて紹介します。これから日商簿記試験の勉強を始める方のご参考になりますと幸いです。
試験の概要(1級〜3級)
日商簿記試験の試験概要(1級〜3級)は、以下の通りです。
試験日(統一試験) | 1級:年2回(6月・11月) 2級:年3回(2月・6月・11月) 3級:年3回(2月・6月・11月) |
---|---|
試験日(ネット試験) | 2級:いつでも(受験停止期間を除く) 3級:いつでも(受験停止期間を除く) |
試験時間(統一試験) | 1級:3時間(集合時間 9:00)※別途休憩時間あり ※別に説明・配布・回収など約30分 2級:90分(集合時間 13:30)※別に説明・配布・回収など約30分 3級:60分(集合時間 11:00)※別に説明・配布・回収など約30分 |
試験時間(ネット試験) | 2級:90分(CBT多岐選択式+記述式5問以内) 3級:60分(CBT多岐選択式+記述式3問以内) |
受験地 | 全国各地で受験可能 |
受験料 | 1級:7,850円 2級:4,720円 3級:2,850円 |
受験資格 | 制限なし |
2級と3級では、統一試験(筆記)とネット試験(CBT方式)のどちらでも受験可能です。両者は試験範囲や試験時間に違いがありませんが、特徴が若干異なります。
統一試験 | ネット試験 | |
---|---|---|
日時 | 年2・3回に決定されている。 | 自分の好きなタイミングで受験できる。 |
試験結果 | 約2週間後に確認する。 | 試験受験後すぐに分かる。 |
試験問題の持ち帰り | 可 | 不可 |
筆記でもネットでも、計算問題がメインに出題されます。勘定項目等の暗記も大事ですが、仕訳の計算方法などを理解しておかないと合格するのは難しいです。
合格率・難易度
1級〜3級について、過去10回分(ネット試験は導入後の全期間)の受験者数・合格率などをまとめました。
1級
受験回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
162(2022.11.20) | 12,286名 | 9,828名 | 1,027名 | 10.4% |
161(2022.6.12) | 11,002名 | 8,918名 | 902名 | 10.1% |
159(2021.11.21) | 11,389名 | 9,194名 | 935名 | 10.2% |
158(2021.6.13) | 9,310名 | 7,594名 | 746名 | 9.8% |
157(2021.2.28) | 7,785名 | 6,351名 | 502名 | 7.9% |
156(2020.11.15) | 10,078名 | 8,553名 | 1,158名 | 13.5% |
155(2020.6.14) | 中止 | |||
153(2019.11.17) | 9,481名 | 7,520名 | 735名 | 9.8% |
152(2019.6.9) | 8,438名 | 6,788名 | 575名 | 8.5% |
150(2018.11.18) | 9,852名 | 7,588名 | 680名 | 9.0% |
1級は合格率は10%前後にとどまっていることから、かなり難易度の高い試験といえます。
2級
2級(統一試験)
受験回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
163(2023.2.26) | 15,103名 | 12,033名 | 2,983名 | 24.8% |
162(2022.11.20) | 19,141名 | 15,570名 | 3,257名 | 20.9% |
161(2022.6.12) | 16,856名 | 13,118名 | 3,524名 | 26.9% |
160(2022.2.27) | 21,974名 | 17,448名 | 3,057名 | 17.5% |
159(2021.11.21) | 27,854名 | 22,626名 | 6,932名 | 30.6% |
158(2021.6.13) | 28,572名 | 22,711名 | 5,440名 | 24.0% |
157(2021.2.28) | 45,173名 | 35,898名 | 3,091名 | 8.6% |
156(2020.11.15) | 51,727名 | 39,830名 | 7,255名 | 18.2% |
155(2020.6.14) | 中止 | |||
154(2020.2.23) | 63,981名 | 46,939名 | 13,409名 | 28.6% |
2級の合格率は約8%〜30%の間で推移しています。合格率の開きが大きいのが特徴です。
2級(ネット試験)
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2022年4月~2022年12月 | 72,643名 | 27,390名 | 37.7% |
2021年4月~2022年3月 | 106,833名 | 40,713名 | 38.1% |
2020年12月~2021年3月 | 29,043名 | 13,525名 | 46.6% |
ネット試験の場合は、合格率が40%前後で推移しています。
3級
3級(統一試験)
受験回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
163(2023.2.26) | 37,493名 | 31,556名 | 11,516名 | 36.5% |
162(2022.11.20) | 39,055名 | 32,422名 | 9,786名 | 30.2% |
161(2022.6.12) | 43,723名 | 36,654名 | 16,770名 | 45.8% |
160(2022.2.27) | 52,649名 | 44,218名 | 22,512名 | 50.9% |
159(2021.11.21) | 58,025名 | 49,095名 | 13,296名 | 27.1% |
158(2021.6.13) | 58,070名 | 49,313名 | 14,252名 | 28.9% |
157(2021.2.28) | 70,748名 | 59,747名 | 40,129名 | 67.2% |
156(2020.11.15) | 77,064名 | 64,655名 | 30,654名 | 47.4% |
155(2020.6.14) | 中止 | |||
154(2020.2.23) | 100,690名 | 76,896名 | 37,744名 | 49.1% |
3級の合格率は約27%〜67%の間で推移しており、比較的難易度は低いです。
3級(ネット試験)
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2022年4月~2022年12月 | 143,989名 | 59,694名 | 41.5% |
2021年4月~2022年3月 | 206,149名 | 84,504名 | 41.0% |
2020年12月~2021年3月 | 58,700名 | 24,043名 | 41.0% |
ネット試験の場合は、合格率が41%程度です。
勉強時間
合格に必要な勉強時間は、1級は約700時間、2級は約300時間、3級は約100時間、と言われています。
日商簿記合格のメリット
合格者の私が思う、日商簿記試験に合格するメリットは、以下の2つです。
①財務諸表が読めるようになる。
最大のメリットは、「財務諸表を読める」という、社会人における基本的な能力が身につく点です。
財務諸表とは「貸借対照表」及び「損益計算書」のことを指しますが、この2つの数字の見方がわかれば、会社の財産状況がある程度理解できるようになります。数字を見て、売上高はどれくらいか?会社の経営は健全か?借入金が多いか?など、会社の経営状況がわかるようになります。
また、株式購入の際にも役立ちます。株主優待などの権利を得るため株式を購入する場合、事前に会社の経営状況や健全性などを判断しておくべきです。日商簿記の学習をしておけば、自分で会社の状況を確認でき、リスクの回避にも繋がります。
③他の試験の試験範囲となっている場合が多い。
財務諸表や簿記に関する知識は、他の資格試験でも試験範囲になっている場合が多いです。
例えば、ITパスポート試験や基本情報技術者試験では財務諸表が出題範囲に、マンション管理士試験や管理業務主任者試験では仕訳処理が出題範囲に含まれています。これらの試験を受ける場合、当該事項の範囲の学習がほぼ不要になります。
数多く資格試験を受験される予定の方は、メリットが大きいです。
※就職や転職時のメリットは少ない。
日商簿記を取得していると、「就職や転職に役立つ!」と言われたりもします。ただし、個人的な意見ではありますが、日商簿記を取得しても転職に役立つ可能性は低いと思います。なぜなら、経理職での採用の場合でも、実務経験の方が重要視されるからです。(確かに、日商簿記取得はプラスに働くことがありますが、実務経験の方がはるかに重要されます。)
日商簿記は転職に活きる、などど言われることもありますが、予備校の影響も大きいように思います。
もっとも、上述の通り、日商簿記取得のメリットは大きいです。転職に役立つか?という観点でなく、数字に強くなることのメリットを自分で感じることができる、という観点で考えた方がよいです。
まとめ:メリットが大きい日商簿記試験の勉強を始めましょう。
はい、いかがでしたでしょうか。
上述の通り、日商簿記を学習するメリットは確実にあります。資格取得を検討中で、日商簿記を未取得の方は、まずは日商簿記の勉強から始めてみましょう。
コメント